Eriko Ito

東京の、とあるソーシャルセクター(中間支援NPO)に勤めて約6年。期間限定でSeattleのNPOに参画後、帰国して出産しました。NPOスタッフが感じるあれこれを発信していきます。

子育て家庭に優しい企業は何故選ばれるのか。-非合理への理解と親心。-

「子育て家庭に優しい企業とそうではない企業、どちらが選ばれると思いますか」

 

と問われたら、前者、と答える人が大半だと思う。

子供の急な発熱、学級閉鎖、行事…

その他、色んな理由で出産前には無かった有休の使い方をせざるを得なくなる。

 

でも、出産前の私は、こうも考えていた。

 

「病児なら病児保育があるし、学級閉鎖ならベビーシッターがある。なんでもっとサービスを使わないの?母親がやらなきゃ!って囚われすぎてるんじゃ?」

 

そう思ってた自分をぶん殴りたくなるけど、本当にそう思ってた。

サービスを活用すれば、もっと「普通の人」と同じように働けるんじゃないの?と。

一児の母となった今なら分かる。

 

「う、うん…そうなんだけど、そうじゃないんだよ…!!!」

 

生後2ヶ月半で仕事に復帰した私は、それはもう、思ってもみなかった程、仕事にならなかった。急な発熱、胃腸炎、謎の目やに、そして定期的な予防接種!

出張先の福島からとんぼ返りで呼び戻されたこともある。(保育園からのお迎え要請の際、私に電話をかけ続け留守電を入れ続けるのではなく、何故、一本、父にかけるという選択肢が思い浮かばないのか…と思った事は多々あれど、それは別に書きます…)

 

当然、出産前の私は「復帰するなら、病児保育の加入は必須!空きが出ないか逐次ウエブサイト確認!」と意気込んでいた。

…が、結局、生後1年経った今でも申し込んでない。

 

それは、全くもって、「非合理的な選択」の結果から、な訳です。

—————————

元々こどもが欲しかったから産んだら可愛いだろうなぁと思っていたものの、

産んでみるとその可愛さが爆発。愛情メーターが常に振り切れてそろそろ壊れるんじゃないかと思ってるほど。

(ちなみに夫の愛情メーターは振り切れてすぎて既に壊れてる模様)

だから、「子供が熱を出した」時に自然と、「熱で辛い時は一緒にいてあげたい」なんて、出産前には思いつきもしなかった選択肢が頭をよぎる訳です。

 

想定してる病児保育は生後半年以上にならないと入会出来ないので、復帰当初は熱が出るたびに私が仕事を休んでたのですが、

全く仕事してないなぁ、なんて思いながらも、その非合理的な選択に対しては不思議な納得感。

 

思えば、出産後から非合理な選択の連続でした。

病児保育は契約してないし、肌着やスキンケア製品は必ず相場より高いもの選んでるし、離乳食を手作りしちゃうし。そうそう可愛い娘を撮るために高いカメラも買いました…(これはちょっと違うか…)

 

全く合理的ではない選択の連続ですが、そうしたいと思うのが親心というもの。

で、それが叶えられないというのは結構なフラストレーションなんだということも分かりました。

 

私が出産前に思ってた、「子育てと両立する方法」は、有休使って、シッター使って…バリバリと「独身時代」と同じように働ける環境を整備すること。

 

でも、出産を経て、「独身時代と同じように働ける環境をサービスを駆使して得る」ことが働きやすさに繋がる訳ではないということが分かりました。

 

子供が熱を出したら早く帰りたい。ご飯は家族で一緒に食べたい。子供をお風呂に入れてあげたい。

一見すると、非合理的にしか見えない欲求は、正直、法律で認めるよう規定するほどでもないものばかり。ニーズも多様だし。

だから、企業文化や企業独自ルールで、こうした非合理を受け入れてあげることが必要なんだろうなと思います。

そして、そうした個人のワガママとも言える、非合理的な選択を受け入れられる企業が子育て家庭にとって魅力的な企業になるんだろうな、と。

——————

少しずつ丈夫になって休むことも減ってきた娘ちゃん。なんとなく、そろそろ病児保育を契約してもいいかしら?と思い始めてきたのは、

ある程度、病気の時にどんな感じなのかが分かってきたから、というのも大きいかも。

そりゃプロに任せた方がいいんだけど、でも親である私もちゃんと病児の状態については知っておきたいし。(これも非合理的な考え方?)

 

寝る前の徒然日記でしかないけど、出産前の無知な自分を忘れないためにも(笑)、気持ちの比較検討、残しておこうっと。